それぞれの道

互いにどこが違うのか?

三道を通して

 剣道、居合道、杖道はそれぞれ異なった武道に思われますが、求める道は「太刀で切ること」に収束します。ただ、修行の仕方にそれぞれの特徴があり、この武道が一番ということはありません。しかし、修行人口が多い「剣道」が、圧倒的に優れた指導者が多いと言えます。しかし剣道家が居合や杖を修行してみると、より高い剣の境地に達することができると言います。全日本剣道連盟は、剣道家は居合や杖を修行することを推進しています。そこでそれぞれの特徴について、少し記述します。

剣道

 小手、面、胴、突きの四つの打ち方を基本から使い分け、防具を付けて撃ち合います。この四つの打突ができれば、どの部位でも切れるとの考えに基づくものです。またその他に、形稽古があります。数センチ、数ミリ単位の間合と、それを形作る体の運用、兆し、気の持ち方などを修行します。古人が命懸けで制定をした剣道形です。

 しかし、ともすれば、試合に対する認識にゆがみが生じがちで、勝つことを目的にしてしまいます。本来試合は力量を判定し、修行の一助とするべきで、負けた試合ほど得るものは大きいととらえるべきです。試合偏重によって、形稽古をしなくなったのは、剣道本来の姿が失われた悲しい姿だと思います。しかし古流剣術には形稽古の重要性を捉えたものが多く存在します。

居合道

居合は刀の使い方、体の運用、刃筋、残心などを修行します。剣道連盟居合形があり、形を抜くことで試合に臨み、昇段審査を受けていきます。

所属流派が多数あり、古流(流派独自の形)とともに修行します。

杖道

太刀と杖で行う形稽古です。居合と異なるのは、相手が実際にいる事です。剣道連盟杖道形があり、居合と同じ形式で修行します。古流は一つだけ神道夢想流を修めます。三道で最も古流の色が濃く、修行の深さもあります。私は剣道(10歳から)、居合道(18歳から)、杖道(21歳から)を始めましたが、今は杖道にはまってます。神奈川の故矢野正一郎先生の門下に入り、修行させていただいたおかげと思っています。今は矢野先生の弟子で大竹俊行先生に師事しています。武道は「良き師匠」との出会いが大きいと思います。

いずれにしても、武道修行の目的は、試合に勝ったり、昇段することではないのではないかと思っています。師匠は「受ける段位の一つ上位の技前で昇段審査に挑め」と常日頃おっしゃっていました。


杖道八段 大竹 俊行 先生
杖道八段 大竹 俊行 先生